蜂に刺されるって人生で何回あるでしょう?
刺されるのは突然のことなので初めてのときはどう対処していいかわからず慌ててしまうのが普通です。
こういうのは知ってるか、知らないかです。
蜂に刺される可能性のある人はいざというときのために刺されたときの応急処置の仕方や病院にどの程度で行くのか、何科を受診するのかなどを知っておきましょう。
目次
蜂に刺されたときの応急処置の手順
蜂に刺されたときの応急処置の手順を解説します。
- まず避難
- 傷口から毒針を抜く(ミツバチの場合)
- 毒を絞り出す
- 患部を水で冷やす
- 薬を塗る
- ひどい場合は病院に行く
1. まず避難
蜂が近くにいる可能性がある場合はまず安全な場所まで離れましょう。
なぜなら蜂の毒針には他の蜂を惹き付けるフェロモンが出ており、そのままそこに留まっていると他の蜂が集まってきてさらに刺される危険性があるからです。
またこれはさすがに知ってると思いますが、大声をあげると他の蜂を刺激してしまう可能性があるのでなるべく静かに走り去ってください。
2. 傷口から毒針を抜く(ミツバチの場合)
ミツバチ以外の蜂に刺された場合は無視して次に進んでいいです。
なぜならスズメバチのようなミツバチ以外の蜂は針を残さないからです。
蜂の針の仕組み
そもそも普通は蜂は人間の皮膚に針を刺した後、自在に針を抜き差しできるため、引き抜いてから去るのが普通です。
つまり蜂の毒は注射器みたいなイメージで、刺して毒を注入してから引き抜きます。
ちなみにスズメバチは一匹で何回も刺せるので注意しましょう。
でもミツバチは別。
↑ミツバチ
ミツバチの針は特殊で、ノコギリの歯のように小さなギザギザがついてます。
これが人間の柔らかい肌に刺さると歯が皮膚に引っ掛かって抜けなくなってしまいます。
しかしミツバチはこれを無理やり引き抜こうとするため、自分の内蔵を引きちぎります。
そのため人を刺したミツバチは刺した後10分も持たずに絶命するそうです。
そしてやっかいなのが針の根本に毒嚢がついていて、放っておくとその毒嚢から毒が送り込まれ続けてしまうこと。
そのため、ミツバチに刺された場合は針を早めに抜かないと毒がどんどん体に送り込まれてしまうのです。
ただ、この針を指でつまんで取ろうとすると間違って毒嚢を潰してしまう可能性が高いです。
毒嚢はポンプみたいなものなので潰すと一気に毒を針に流し込んでしまい、逆効果となってしまいます。
これを防ぐためにはピンセット、またはそれに近いものを使って、毒嚢に触れずに針だけをつまんで抜くといいです。
もしくは多少傷口が広がるかもしれないですが、横からほじるようにして力業で抜くのもありでしょう。
まぁ万が一毒嚢つぶして毒全部体に入れちゃったとしてもミツバチの毒は弱いのでちょっと体調悪くなる程度で済みます。
人間が蜂一匹の毒で死ぬことはあり得ないので安心していいです。
次の日以降痒みはひどくなるかもしれませんけどね^^;
死ぬ場合は毒そのものではなく毒に対するアレルギー反応、アナフィラキシーショックが起きた場合だけです。
アナフィラキシーショックについては後で解説します。
3. 毒を絞り出す
次にやることは毒抜きです。
毒の抜き方には口で吸う、ポイズンリムーバーなどの専用器具を使う、指でつまんで絞り出すなどの方法があります。
このうち器具はないとできません。
また口で吸う方法は虫歯がある場合は虫歯から毒が入ってしまうので逆効果になる危険性があります。
なので一番現実的な方法は指でつまんで絞り出す方法です。
やり方は単純に傷口の周囲の皮膚をつねり上げるようにして毒を絞り出すだけです。
4. 患部をお湯で温める
その後まずシャワーを43℃以上の火傷しないぎりぎりの温度まで温めます。
(熱ければ熱いほど効果があります。)
シャワーが準備できたらまずさっき絞り出した毒を洗い流しましょう。
そしてそのまま熱いシャワーをかけ続けて患部を温めます。
熱いのを我慢して20分くらいシャワーで温め続けてください。
ただし、必ずシャワーで。
洗面器に熱いお湯をくんでそこに患部を浸して温めると、すぐに温度が下がってしまうため、効果が薄いどころか、逆効果にもなりかねません。
なぜなら、この毒は37~40℃で活性化するからです。
つまり、40℃以下だと毒が逆に活性化してしまい、42℃以上なら死ぬ。
なのでシャワーでお湯を常に43℃以上にして書けないと意味がないんです。
ちなみに今までの従来の治療法では冷やすのが一般的でしたが、最近では蜂の毒の主成分がタンパク質であり、タンパク質が熱に弱いことから、熱いシャワーで傷口を局所的に温めることで蜂の毒を無効化できることがわかってます。
逆に冷やすのは逆効果で痛みが増します。
まだこの情報は広まってないのでほとんどのサイトや医者が冷やすことを推奨してると思いますが、嘘だと思ってやってみてください。
効果は保証します。
5. 薬を塗る
患部に抗ヒスタミン軟膏やステロイド剤を塗ります。
- 抗ヒスタミン軟膏・・・痒みの元になるヒスタミンを和らげる効果がある。
- ステロイド剤・・・皮膚の炎症や痒みを抑える効果がある。
また、よく蜂に刺されたらおしっこをかければいい、と昔から言われるが、これは現在効果がないことが証明されてます。
理由はまず蜂の毒がタンパク質であること。
タンパク質はアンモニアで中和できる類いのものではないです。
また、そもそも出されたばかりの尿にはアンモニアが含まれていません。
つまり昔の人の知恵は完全に間違っていたのです。
6. ひどい場合は病院に行く
腫れや痛みがあまりにひどい場合はすぐに病院に行った方がいいです。
病院に行くかどうかの判断基準についてはこのあと解説します。
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蜂に刺されたときに病院に行かないのはありかと行くなら何科か?
応急処置を済ませた後病院に行くかどうかですが、心配なら行ってしまうのが手っ取り早いです。
初めて蜂に刺された場合は不安だろうし、病院に行ってちゃんとした薬をもらった方が安心できるでしょう。
でも農家など頻繁に蜂に刺される人なんかは蜂に刺されたぐらいでは病院に行きません。
なぜなら蜂の毒は弱いので応急処置をすれば毒が回って死ぬようなことはまずないからです。
なので基本的に問題になるのは蜂に刺された後に残る痒みや腫れです。
これは放っておいても治るが、適切な薬を塗れば治りが早くなります。
市販薬でもいいけど病院で適切な薬を処方してもらうのが確実です。
ただ応急処置に温熱療法を使えば、痒みや腫れはほとんど出ないはずです。
この場合は病院に行く必要性すら感じないでしょう。
つまり、基本的に病院には行っても行かなくてもいいってことです。
ただし、絶対に病院に行かなきゃいけないケースもあります。
アナフィラキシーショックについて
それがアナフィラキシーショックが起きた場合です。
これは蜂毒に対してアレルギーがある体質の人に起こる症状で、基本的には蜂に2回目以降に刺されたときに起きやすいと言われていますが、初めてでも起こる可能性はあるので油断してはいけません。
アナフィラキシーショックが起きると全身じんましんや呼吸困難などの症状があり、最悪の場合死に至ります。
しかも発症してから心配停止まで15分程度とかなり短く、非常に怖い症状です。
なのでその兆候が見られた場合は少しでも早く救急車を呼ばないと手遅れになります。
アナフィラキシーショックの症状
アナフィラキシーショックは軽い症状の場合と重い症状の場合があります。
軽い症状の場合は命に別状はないが、万が一悪化する可能性を考えて救急車を呼んだ方がいいです。
以下、症状を具体的に挙げておきます。
軽い症状
- 皮膚が赤く大きく腫れる
- 痒みがひどい
- めまい
- 吐き気
- 口の乾き
- 動悸がする
- 腹痛
- 下痢
- 嘔吐
- 全身の倦怠感
- 冷や汗
重い症状
- 全身じんましん
- 呼吸困難
- ゼーゼーする
- 胸の締め付け感
- 耳鳴り
- 痺れ
- 意識障害
- 痙攣
- 血圧低下
こんな症状が出たらすぐに救急車を呼ぶこと。
時間との戦いなので応急処置中に少しでも異変を感じたら毒を抜いてすぐに救急車を呼んだ方がいいです。
ちなみに東京で救急車を呼んで到着までにかかる平均時間は7分54秒らしいです。
心肺停止まで15分だから東京ならなんとか間に合うはずです。
蜂に刺されたら病院は何科か?
蜂に刺された場合、大人は皮膚科、子供は小児科か皮膚科に行くのが基本です。
腫れと痛みや痒みのみの場合は皮膚科でいいです。
でももちろん、アナフィラキシーショックの疑いがある場合は救急車を呼んで救急外来です。
また2回目以降に刺されて蜂毒アレルギーがあるきとがわかってる人の場合も救急車の方がいいです。
まとめ
蜂に刺されたときの応急処置の手順は
- 逃げる
- 針を抜く
- 毒を絞り出す
- 患部をお湯で洗い温める
- 薬を塗る
- 病院に行く
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基本的には蜂の毒は弱く、蜂に刺されても病院に行くか行かないかは個人の自由で問題ないですが、アナフィラキシーショックが起きた場合だけは病院に行かないと危険です。
蜂に刺されたときの病院は皮膚科が基本だが、救急車を呼んで救急外来に行くことになるパターンも多いです。
まぁ実際、蜂に刺された場合、蜂毒アレルギーがあってアナフィラキシーショックが起きることはまれで応急処置だけで済む場合が多いけど、万が一のときは命に関わるので慎重に対応した方がいいでしょう。
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